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毎日の家事の1つとして食器洗いがあります。
作業自体は食材を買いに行った時に、重い食材を運んだり、料理を作ったりする作業に比べて、比較的楽なはずなんですけど、食器洗いをする作業自体が億劫に感じますよね。
そのため、世の中には食洗器が販売されていますが、自宅スペースの問題で、食洗器を利用しないご家庭や、独り暮らしなので食洗器を設置するほどじゃないと、いう方は多いと思います。
食器用洗剤はどれを使うのがよいのか?
シンプルに洗剤をつかい、スポンジで洗う。。ここで皆さんどんな洗剤を利用していますか?
アルカリ性、中性、オーガニック製品と食器用洗剤は様々な種類があります。
今回はおススメ洗剤を紹介しつつ、洗剤の特性についても研究した解説をしていければと思います。
【食器用洗剤の種類、アルカリ性、中性、オーガニック??結局どれがいいの?】
洗剤には大きく分けて3つのカテゴリーがあります。
洗剤には液性の違いがあるんですね。
なんとなく目にしたことがないでしょうか?
それぞれの液性について詳しく見ていこう。
製品でいうと、ハイターやトイレのドメストなどが、塩素系洗剤になります。
【塩素系】主にトイレやお風呂場、食器で使う際は、漂白をするさいに利用しますね。
教科書的に成分名称を言いますと、次亜塩素酸ナトリウムが主成分の製品で、商品ラベルにも「まぜるな危険」と必ず記載があります。
「まぜるな危険」の表記は見たことがあるのでは?
そもそもなにが混ざったら危険なのでしょうか?
理解しておかないと、おっかなくて使用できませんもんね?
まず、塩素系洗剤の主成分次亜塩素酸ナトリウムは、カビの細胞とカビが作る色素を酸化、分解してくれる作用があります。
専門的に言うと液体アルカリ性を調整し、この作用を安定させています。
塩素系洗剤の主成分がカビ退治に強い作用があるんですね。
今まで液性の理由はわからなくとも、お風呂場の洗剤などはカビキラーで掃除されている方は多いのではないでしょうか。
カビキラーも塩素系洗剤なので、ネーミング通りカビ退治に強い洗剤ですね。
また塩素系洗剤は、独自の匂いを発生させるので換気の良い状態で使用しないといけません。
お風呂場などの密室で塩素系洗剤を利用し、掃除をしていたら息苦しくなることがありませんか?換気は絶対条件ですので気を付けて下さい。
塩素系洗剤の使用には換気をしないと体調が悪くなる可能性がある。
塩素系洗剤は何を混ぜたら危険なのか?
塩素系洗剤は、酸性のクリーナーやお酢などの酸性物質と混ぜてはいけません。
これらが塩素系洗剤とまざると、急激に分解し塩素ガスが発生します。これが危険なガスなので、絶対に酸性のものとはまぜてはいけません。
塩素系洗剤は酸性のものと混ぜると危険な塩素ガスが発生する。
お酢で磨くと汚れが落ちるといった、家庭の知恵やおばあちゃんから教えてもらった掃除方法でお酢を利用することはあると思いますが、塩素系とは併用してはきけません。
塩素系洗剤の「まぜるな危険」は、「酸性と混ぜるな危険」で覚えておいてください。
また、塩素系洗剤は強力なので、掃除用のビニール手袋などで、手を保護してから使用しましょう!
同じ用途の洗剤でも塩素系、酸性があるので注意して使用しましょう。
【アルカリ性洗剤とは?】
同じアルカリ性でも塩素系とは異なるアルカリ性洗剤。
知らないうちに使っているのではないでしょうか?
キッチン周りのお掃除の際に利用する、油汚れ洗剤や食器用洗剤でも使用されています。
液体の性質の強さを表す数値pH(ペーハー)というものがあります。
0~14の数値でで表されます。ざっくりな表現になりますが、このpHが8より大きければ
【アルカリ性】となるわけです。
pHの数値が大きければ洗浄力が増すので油汚れに強い。
そして、PHが8以上、11以下だと「弱アルカリ性」、11以上だと「アルカリ性」という区分になるのです。
数字が大きい成分はもちろん洗浄力が増しますので、しつこい油汚れに効果的ともいえますね!
製品のうたい文句などで、「洗剤で汚れが溶ける音を聞いてください」や「パキパキと汚れが落ちる音」などうたい文句がある商品など見かけますが、pH14以下アルカリ性洗剤ではこの現象起こりにくいでしょう。
この現象は一般家庭に販売されていない、いわゆる業務用レベルの苛性ソーダなどではないとパキパキと汚れが溶けません。
またpH14以上の業務用洗剤は、ものによっては使用してそのまま下水に流すことはできません。
厳格な国の基準があります。家庭のエアコンなどの掃除を、業者さんにお願いした方なら見たこともあるかもしれませんが、桶のような入れ物に掃除した排水をためて、ここで中性にしてから排水します。
環境問題には世界的に厳しいので洗剤にも様々な規制がある。
詳しくは関連記事を見てみてください。
関連記事:界面活性剤とは?
食器用洗剤で弱アルカリ性製品は「JOY」などがこれに該当する。
【中性洗剤とは?】
次に中性洗剤を見てみよう。
pH値6以上8以下を中性洗剤といいます。
pH値が0や14に近づくとそれぞれ逆となる汚れを落とす性質があります。
中性洗剤はいわば、それどれの中間に位置する洗剤です。
そのため、「酸性洗剤はアルカリ性の汚れには落ちが良い。」「酸性の汚れにはアルカリ性洗剤が良く落ちる。」といった特徴的な強い洗浄力は中性洗剤にはないのです。
洗剤にはそれぞれ得意な汚れを落とす性質もあるんですね。
デメリットを上げるなら、洗浄力が酸性・アルカリ性に比べてはるかに弱いということになります。
ではなぜ多くのメーカーが中性洗剤を使用して、食器用洗剤を商品化しているのでしょうか?
それは、酸性やアルカリ性に比べて洗浄力は劣るが、手肌や素材を痛めることが、はるかになく洗浄できる洗剤だからです。
「手にやさしい」というよくあるキャッチフレーズはこういった理由から、キャッチフレーズとして採用されているのでしょう。
中性洗剤は手肌にやさしいのが特徴ともいえる。
【酸性洗剤とは?】
酸性洗剤は中性・アルカリ性洗剤に比べると商品数も少ない洗剤ともいえる。
酸性洗剤とはどんな洗剤なのだろうか?
酸性洗剤は誤解されやすいのが「アルカリ性と一緒??」ではなく真逆の洗剤になります。pH値で言いますと、3未満が酸性洗剤、3以上6未満が弱酸性洗剤となります。
pH値が0に近いほど酸性が強く、すなわち洗浄力が強いといえます。
酸性洗剤の特徴として、水垢や石鹸カス、ニオイで言えばアンモニア臭に洗浄、消臭効果があります。
酸性洗剤トイレ、お風呂用の洗剤として販売されていることが多い洗剤。
ここでなにかひっかかりませんか?そうです塩素系アルカリ洗剤と、用途がかぶっていますよね。
そうですまさに「まぜるな危険」というのは、この用途が一緒の洗剤で酸性洗剤・塩素系洗剤が製品としてあることが、「まぜるな危険」の表記に繋がっています。
酸性洗剤の代表的なトイレ洗剤は「サンポール」
塩素系洗剤の代表的なトイレ用洗剤は「ドメスト」
と同じトイレ用洗剤でも絶対にまぜてはいけない洗剤が製品としてあります。
これは特に注意してください。
掃除をする場所が一緒なのに絶対にまぜてはいけない、酸性と塩素系の製品がある。
サンボールを使用してトイレ掃除中に、途中でドメストを継ぎ足す❌絶対にダメです
その逆も、もちろんダメです。注意しましょう。
酸性洗剤はトイレ、浴室、台所のシンクなどの水垢、煙草の臭いなどに効果的に掃除、消臭効果がある特徴があります。
洗剤の特性をみてきました。
液性を考えると食器用洗剤に適しているのは、弱アルカリ性か中性洗剤ということになりますね。(酸性の食器用洗剤もあります)
【成分別でみる食器用洗剤】
それでは成分別にデメリット・メリットなどもみていきましょう。
【弱アルカリ性の食器洗剤】
さてでは弱アルカリ性洗剤食器用洗剤をもう少し深く考察しましょう。
【デメリット】
やはり弱アルカリ性洗剤なので、先ほどのアルカリ性洗剤の箇所でも紹介しましたが、大きなデメリットとしては、直接手に触れて食器を洗浄すると、手が荒れるという点は避けれません。
洗浄力が高いので洗剤量も少しですみますが、どうしても手肌は荒れることを覚悟しておいた方がいいでしょう。
【メリット】
弱アルカリ性の食器用洗剤でのメリットはよく汚れが落ちる。これにつきます。
「Joy」などのCMでは少量で油汚れが分解しているシーンなどは皆さんの記憶にもあるのではないでしょうか。やはり油汚れには適していると言えますし、弱アルカリ性洗剤の強みであるともいえますね。
アルカリ性洗剤のデメリットは手が荒れる。
メリットは油汚れに強い。
【中性の食器用洗剤について】
各メーカーが食器用洗剤には中性洗剤を採用している。
これには理由があります。
定番の中性洗剤のデメリット、メリットを見ていきましょう。
【デメリット】
酸性やアルカリ性洗剤に比べると、やはり洗浄力は弱いと言わざるをえません。
その分洗剤を多く使用しなければいけない場合もありますので、油汚れが酷い食器などを洗浄する際は、一旦つけ置きしたり、洗剤を変えたりと工夫が必要といえます。
【メリット】
やはり他の洗剤に比べて、圧倒的に手肌に優しく、食器なのど素材も痛めることなく、汚れを落とせるという点です。
そのため多くのメーカーで食器用洗剤は中性洗剤を採用している背景であることがいえます。
中性洗剤は、洗剤の中でも手肌にやさしい洗剤という特徴が、食器用洗剤として採用されている理由なんですね。
【中性洗剤に含まれる界面活性剤】
界面活性剤という言葉を聞いたことはありますか?
食器についた油汚れや手垢などは、中性洗剤に含まれる、「界面活性剤」という成分が、水と油を混ぜ合わせる働きがあり、汚れを洗い落とせるということなのです。
界面活性剤の働きについては別の記事で詳しく紹介していますので是非読んでみてください!
関連記事:界面活性剤とは?
【中性洗剤には濃縮タイプもある】
中性洗剤はアルカリ性に比べ洗浄力が劣るが、それを補うために濃縮タイプの洗剤もある。
中性洗剤には濃縮タイプの洗剤もあります。
もともと、ホテルの厨房や飲食店の厨房などで広く利用されていました。
濃縮タイプの洗剤は少しの量で驚くほど泡立ちがありますので、実に経済的な製品もあり中性洗剤特有の濃縮技術をいかし製品化しています。
また厨房用の濃縮洗剤、いわゆる業務用から、最近では家庭用の濃縮タイプの洗剤もあるので、たくさんの洗い物があり、中性洗剤を使用したい方には大変おススメします。
【番外編・オーガニック洗剤について】
最近よく見かけるようになったオーガニック洗剤について見ていきましょう。
ここで少しサステナブル製品の洗剤についてもお話しします。
近年SDGsの観点から、さまざまなサステナブル製品が商品化されていますが、食器用洗剤の分野でもサステナブル製品が発表されています。
洗剤のサステナブルとは、洗剤がオーガニック、容器もプラスティック製品ではなく、バイオマスリサイクル資源の活用などが上げられます。
ここでは、洗剤のサステナブル、いわゆるオーガニック洗剤について触れていこうと思います。
そもそもオーガニックとは?
オーガニック=「有機」という意になります。
有機野菜、オーガニックコスメ、オーガニック繊維などさまざまなジャンルで、見かけるようになりました。
オーガニック洗剤の場合は、「有機栽培した植物などから成分を抽出した成分の洗剤」ということになります。
中性洗剤の箇所でお伝えしましたが、界面活性剤が中性洗剤の中に配合されていて、この化学反応を利用して汚れを落とします。
通常の洗剤は科学的なものとカテゴリーされるのは、この界面活性剤が科学的な物を使用しているからになります。
石油系の洗剤は、洗浄力も高いため、洗剤によく使用されています。
オーガニック洗剤というのは、この界面活性剤が有機品、自然由来の成分で製造されているということになる。
。
ただ石油系の界面活性剤が悪でオーガニック系の界面活性剤が善かと言えば必ずしもそうとも言えません。
参考記事:詳しくは界面活性剤の記事を読んでみてください。
オーガニック洗剤で洗剤が作れるのなら、どんどんオーガニック洗剤使えばいいのでは?
しかしオーガニック洗剤にもデメリットとメリットがあります。
【デメリット】
オーガニック洗剤は有機品ですので、環境に優しいですし、手肌もにも優しいのですが、洗剤の中でも手や肌に優しい中性洗剤にくらべて、はるかに洗浄力が劣ってしまいます。
食器洗いの際に、カレーや油汚れのついた食器をオーガニック洗剤で洗う際は、何度も洗剤を継ぎ足す必要があり、合成洗剤に比べてしまうと、洗浄力の面では納得のいく洗浄力は期待できないことを理解して使用しないといけません。
また、有機品の食材などが他の食品に比べて価格が高いように、オーガニック洗剤も原材料の栽培が有機品であるためコストがかかります。
オーガニック洗剤もデメリットは洗浄力が圧倒的に弱い。
【メリット】
小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、赤ちゃんのデリケートな肌を心配して、オーガニック製品を使用される方が多いと思います。オーガニック洗剤の良いとことも同じように高い安全性といえます。
科学的な成分ではないので、肌の荒れやすい方はお肌を守るという、目的をオーガニック洗剤はしてくれますし、SDGsの観点からも水に溶けやすいので、環境への負荷が少なく、水質汚染も軽減でき、未来に向けた行動であることは間違いありません。
【まとめ・食器用洗剤は、洗い物によって使いわける】
食器用洗剤について考え、どれがおススメかという問題ですが、洗剤の特性を理解するということが大変重要になってくると思いませんか?理解したうえで用途に合わせて洗剤を使い分けるというのは非常に良い案ではないかと思います。
いままでなんとまく使っていた食器用洗剤を、洗剤の特性を理解して使用する。
たとえば水を飲んだコップを洗浄するなら、オーガニック洗剤で十分洗浄できますし、カレー作った鍋や、焼肉焼いたプレートなどはアルカリ性洗剤や濃縮タイプの中性洗剤で洗った方が、洗剤自体も使用量が少なく洗えるので、効率もよいでしょう。その際、手荒れの可能性が上がるので、アルカリ性の洗剤で洗うときは、保護用のビニール手袋を使用する。
そして家族の人数も多く、洗い物が多いご家庭は、中性の濃縮タイプの洗剤を使用すると、手肌にもやさしく少量の洗剤でたくさん洗えますし、コスパは最高だといえます。
洗う際の食器の量、どんな汚れか、コスト的にどうか、手肌の荒れや、環境問題と台所の食器洗浄からもさまざまなものが見えてきます。
【アルカリ・中性・オーガニック洗剤紹介。】
市販の食器用洗剤で、アルカリ・中性・オーガニックとそれぞれの特性のある洗剤を少しご紹介します。食器用洗剤を購入する際の参考にしてみてください。
【食器の油汚れに除去に強い、アルカリ性洗剤。】
ジョイ ミラクルクリーン 泡スプレー 食器用洗剤 緑茶の香り
食器用洗剤ですが完全にアルカリ性洗剤のカテゴリーに入る商品です。
油汚れにもちろん強く、しつこい汚れを除去。
アルカリ性ですので、手荒れ防止のためビニール手袋必須を推進します。
またアルカリ性特有の刺激臭を緑茶の香りで緩和されている商品です。
【植物性中性洗剤、5倍濃縮タイプ】
Special・One No.5 【5倍濃縮タイプ】 無香料
手にやさしい中性の食器用洗剤の中でも、さらに植物性中性洗剤なので肌に優しい洗剤。
5倍濃縮タイプなので、1/5量で通常の洗剤と変わらぬ洗浄料。濃縮タイプはコスパが良いのが特徴。
無香料なので、食器に匂いがつくのが苦手な方におススメ。
ディスペンサーがバイオマス容器、詰め替え用パウチがクラフト紙を使用と、容器がサステナブルなのも珍しい商品。
【オーガニック洗剤】
ecostore(エコストア) ディッシュウォッシュリキッド 【グレープフルーツ】 1L 食器洗い用 洗剤
ニュージーランド発のオーガニック洗剤、ecostore(エコストア)が販売している、オーガニック洗剤。
この商品はグレープフルーツの香りだが、無香料タイプもあり。
オーガニック製品なので洗浄力は低いですが、弱酸性なのでお肌にはもちろん優しく、環境への配慮したサステナブル製品。
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