野菜は洗剤で洗える?野菜や果物の洗い方と洗剤の選び方

洗剤ブログ

現在コロナ渦の影響ともあって、除菌に対して敏感な世の中であるとも言えます。

そんな中、「野菜は洗剤で洗えますか?」「野菜や果物を洗剤で洗って大丈夫ですか」と言った問い合わせをいただきます。

今回は、「野菜を洗剤で洗う、洗わない」ことに焦点をあてて解説していきたいと思います。

除菌はしたい、でも疑問があり不安といった方は現在多いのかもしれません。

ペン博士
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野菜・果物は洗剤で洗ってよいのでしょうか?

【そもそも野菜や果物は洗剤で洗ってよいのか?】

私は野菜や果物を洗剤で洗いませんが、洗剤工場に勤めていた時ベテラン(勤務年数30年越え)の方に「野菜はや果物は洗剤で洗えるよ!料理しないの?」と突っ込まれたことがあり、確かに料理は目玉焼き位しかキッチンに用事はなくしないので、料理に対して知識がないのだなと、実感した思い出があります。

ペン博士
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日本には野菜を洗剤で洗っていた歴史があります。

洗剤で野菜を洗う歴史的背景

1956年、「ライポンF」という商品名で、野菜・果物洗い用合成洗剤が発売されました。

中身がABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)とう原料で、厚生省(現厚労省)は「厚生省推進品第一号とする」として、「野菜、食器等の洗浄についてなるべく合成洗剤を使用して衛生的にならしめるよう、一般家庭も給食施設も使うよう」という指示を出しました。

というもの、この頃日本国内で生産される野菜や果物は泥はもちろん、農薬、寄生虫の卵などが付着していて、健康面がかなり不安視されていて、実際30%近くの日本人が、回虫を保有していたという報告があり、「国民の健康を守る」ために当時の厚生省が「野菜は洗剤で洗う」ことを推進したんですね。

どおりで洗剤工場に勤務していた時、勤続30年以上のベテランの方と私との間に、野菜や果物を洗うことに対してギャップ(ジェネレーション)が発生したのだと思います。

ペン博士
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昔の日本は食品衛生面の問題を抱えていたので、野菜・果物を洗剤で洗浄することを推進していたんですね。

【現在も野菜を洗う必要性はあるのか?】

野菜を洗うことを推進していた時代と現在では、明らかに食に対する規制が強化され、衛生面での基準は格段に上がっていますが、現在でも野菜や果物を洗う必要はあるのでしょうか?

ペン博士
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食の安全は高いので洗う必要があるかデーターを見てみましょう。

1978年、科学技術庁が「合成洗剤に関する研究結果報告書」を出しています。

これによると「食品衛生法」の基準通り、合成洗剤を0.1%に薄めた洗剤液で5分間洗い、水洗いを流水で30秒、つけ水で2回以上洗った結果、「野菜・果物の農薬の落ちは水道水で洗った時と大差ない」と報告されています。

また合成洗剤は、野菜で5~10ppm、果物で2〜5ppm成分が残留し、刻みキャベツは60ppmも残留したので注意する必要があると報告されています。

このデータだけを観て考えれば、野菜や果物を合成洗剤で洗えば、食べれば食べるほど残留合成洗剤を摂取することになります。

ペン博士
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データだけみると野菜・果物を洗剤で洗う必要性は微妙ですが、はたしてどうなのでしょうか?

農作物の輸入増で食の安全への不安

しかし、現在日本は野菜や果物の多くを海外から輸入している現状があります。

国内は農薬規制が強化されているため、安心できても、輸入品だと海外の規制がどうなっているかまではわからないのが現状ではないでしょうか。
いわゆる野菜や果物の残留農薬問題ですね。

ペン博士
ペン博士

国内の野菜・果物は安全であっても輸入品は規制が異なるため、安全性に疑問があるとも言えます。

オーガニックで安心?

そうなると思いつくのが、「残留農薬問題が気になるから、野菜や果物は無農薬、オーガニック栽培物を使おう」という方は多いのではないでしょうか。

業界あるあるなのですが、この無農薬や有機栽培、オーガニック品などは確かに良いですが名前の時点で安心していませんか?

オーガニックと聞けば安心、健康によさそうに聞こえてしまいます。

しかし実際のところオーガニック(有機栽培)とう言っても、使用が許可されている農薬であれば、使っていいことになっていますし、前年まで農薬を使用していても、この年に使用しなければ無農薬と表示できてしまう「抜け穴」は存在します。

ペン博士
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オーガニック栽培の食品にも農薬で抜け穴は存在する。

洗剤も昨今オーガニックブームということもあり、各社オーガニック製品を販売していますが、「ドイツ生まれのエコ洗剤」と宣伝している某メーカーの食器用洗剤などは、中身は「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」をという科学成分表示があり、この成分を18%まで薄めただけで、自然なイメージを高めただけの製品もあるので注意が必要です。

こういった業界の抜け穴は存在するので、100%安心するには不安もあるので、野菜を洗う際に洗剤の使用も必要なのかもしれません。

【野菜を洗剤で洗う際の方法】

では野菜を洗剤で洗う際はどのようなことに注意が必要なのでしょうか?

ペン博士
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中性洗剤で野菜・果物を洗う際の注意点を見ていきましょう。

洗剤の量に注意

食器用洗剤の注意事項の箇所に、「野菜・果物を洗う際は5分以上つけたままにしない」「30秒以上すすぐ」と表記されていることが多いです。

洗剤の種類や使用量によって内容は変わってきますので、説明書を確認したり各メーカーに問い合わせる事が必要だと思います。

食器洗いの中性洗剤を使う際は水1ℓに対して洗剤0.75mlで薄めて使用ことを推進しているメーカーが多いです。

ペン博士
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5分以上つけたままにしない、30秒以上すすぐのは必須ですね。

【野菜・果物を洗う際の洗剤選び】

野菜や果物を洗う際はやはり天然由来の洗剤が安心でしょう。

野菜・果物洗い専用の洗剤も販売されています。

トレンドはホタテなどの貝を粉末にした天然素材のパウダー洗剤、いわゆる貝殻を使った洗剤で、貝殻から検出される水酸化カルシウムを利用したアルカリ性洗剤が販売されています。

ホタテの貝殻を使用したアルカリ性のパウダー洗剤なので、持ちろん除菌力もあり天然素材なので安心ですね。

専門的な洗剤を選ぶのは良い選択でしょう。

また界面活性剤がヤシの実などの天然素材の成分で作られた洗剤も人気でランキングでもよく見かけますね。

除菌の観点から考えると、野菜・果物に付着した農薬などの性質は、酸性がほとんどです。

酸性を中和する洗剤はアルカリ性成分の洗剤が効果的と言えます。

アルカリ性で食品の掃除に使用されているのは重曹になりますので、食品用の重曹を使用して野菜・果物を洗うと、口に入れても安心なので、食品用の重曹を使用することはおススメと言えます。

このように成分、性質を理解して正しい洗剤を使用して除菌をするアプローチは効果的ですし、なお使用する成分がホタテ、ヤシの実などの天然素材や食品用の重曹あれば環境にも配慮し、なおかつ残留農薬を効果的に洗浄できて安心と言えます。

ペン博士
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野菜果物洗浄専用の洗剤もある。

口に入れても安全な食品用の重曹で野菜・果物洗浄は安心。

参考:食器用洗剤選びについて詳しくはこちら

【食品業者は野菜を洗っている】

食品事業、つまり業務用の世界では中性洗剤で今も野菜を普通に洗っています。

スーパーなどの店頭で販売するカット野菜を生産している工場や病院などの給食を提供している厨房などでは中性洗剤で野菜を洗います。

これは、食品事業者は、野菜が流通するということで、食べるまでに時間が長いこと、あるいは多くの人々が食べることになるので影響力が大きいこと、病院などでは疾患を持たれた方が食べることから、家庭よりも厳しい姿勢が求められるからなんですね。

ペン博士
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食品事業の世界では現在も野菜は中性洗剤で洗っている。

【洗剤で野菜・果物を洗うまとめ

野菜・果物を洗うとき洗剤で洗浄はできるということが言えます。

その際に注意が必要なのは、通常の食器用洗剤を使用するなら、野菜が洗える食器用洗剤で、洗剤の量と浸ける時の時間、すすぎの時間に注意が必要ということになります。

せっかく農薬や汚れが落とせても洗剤成分が残ってしまうと意味がないのでしっかりとすすぎましょう。

また食品用の重曹で野菜・果物を洗浄することは推進しますので試してみてください。

まとめ

● 野菜・果物は中性洗剤で洗浄できる

● 野菜・果物を洗剤で洗浄する際は、メーカーが推進している洗剤の量を守る。

● 洗う際は5分以上つけない、30秒以上すすぐことが必須。

● 野菜・果物洗浄専用の洗剤もある

●ホタテなどの貝、貝殻が成分のパウダー洗剤などはアルカリ性成分なので、農薬洗浄に適している。

● 口の中に入れても安全な食品用の重曹で洗うと安全で安心である。

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